アカエリヒレアシシギ(読み)あかえりひれあししぎ(英語表記)red-necked phalarope

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「アカエリヒレアシシギ」の意味・わかりやすい解説

アカエリヒレアシシギ
Phalaropus lobatus; red-necked phalarope

チドリ目シギ科。全長 18cm。夏羽(→羽衣)は頭上,頸,背面が灰黒色で,背には栗色の縦斑がある。喉は白く,頸から上胸は栗色,腹部は白い。夏羽の羽色は,全体に雄より雌のほうが鮮やかで美しい。冬羽は頭上,背面が暗灰色で,顔と腹部は白い。足は指同士が離れ,各指に葉のような形の鰭のついた弁足となっている。巧みに泳ぎ,水面で旋回して体のまわりに渦をつくって,浮上する小さい生物を採食する。ユーラシア大陸,北アメリカ大陸北部,グリーンランド南部で繁殖し,アラビア海中央アメリカから南アメリカの太平洋岸の洋上インドネシア中部からメラネシア西部で越冬する。日本では渡りの時期に,沿岸海域や海辺の湖沼河川,水田などに見られる。ヒレアシシギ類は繁殖期における雌雄の役割が普通の鳥とは異なり,たとえば抱卵は雄のみが行なう。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「アカエリヒレアシシギ」の意味・わかりやすい解説

アカエリヒレアシシギ
あかえりひれあししぎ / 赤襟鰭足鷸
red-necked phalarope
[学] Phalaropus lobatus

鳥綱チドリ目ヒレアシシギ科の鳥。全長約19センチメートル。夏羽は頸(くび)が赤褐色北半球の極北地で繁殖し、日本には旅鳥としておもに海上に渡来する。

高野伸二


出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

お手玉

世界各地で古くから行われている遊戯の一つ。日本では,小豆,米,じゅず玉などを小袋に詰め,5~7個の袋を組として,これらを連続して空中に投げ上げ,落さないように両手または片手で取りさばき,投げ玉の数や継...

お手玉の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android