ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「アカボウクジラ」の意味・わかりやすい解説
アカボウクジラ
Ziphius cavirostris; Cuvier's beaked whale
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哺乳(ほにゅう)綱クジラ目アカボウクジラ科に属する中形のクジラ。この科には5属18種が知られる。寒海を除く世界中の海に分布するが、生息数は多くない。体長6メートル前後、紡錘形で側扁(そくへん)し、体幅よりも体高が大きい。頭部に前方に突出している短い嘴(くちばし)があり、その下あごの先端に1対の歯があるほか、多数の痕跡歯(こんせきし)がある。体色は褐色や灰黒色で変異が多く、背側が濃く、腹側が淡い。皮膚には傷痕が多い。外国では利用していないが、日本では小型捕鯨業の対象種として年間十数頭が捕獲され、鯨油を採取し、肉は食用に供されているが美味ではない。海岸に自らのし上がって死ぬ例が多い。
[西脇昌治]
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