アカリファ(読み)あかりふぁ

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「アカリファ」の意味・わかりやすい解説

アカリファ
Acalypha; copperleaf; three-seeded mercury

トウダイグサ科の属名で,草本または木本熱帯から亜熱帯にかけて約 300種が分布する。葉は互生し,多くは卵形で粗い鋸歯をもつ。雌雄同株または異株。花は小型で花弁を欠き,穂状花序を形成する。アカリファ・ウィルケシアナは特に葉色が美しい木本で,赤や黄,淡黄色などの斑 (ふ) 模様の葉をもつ多彩な品種があり,熱帯各地で生垣街路樹などに利用されている。一方,同じく木本のベニヒモノキ A.hispidaや草本のキャッツテールのように,紅色の細長い穂状花序を観賞するものが鉢植えで流通する。暖地では戸外で越冬するが,関西地方以北では枯死することが多いため,冬期は温室または明るい室内で管理する。よく日に当てたほうが葉色が鮮明になる。

アカリファ
Acalypha wilkesiana

トウダイグサ科の低木。南太平洋のニューブリテン島原産とされ,観賞用に広く栽培される。高さ2~3mになるが,観葉植物として鉢植にされるものは低い。葉は互生し長い柄があり,葉身は先のとがった広卵形で長さ 10~20cm,縁に鋸歯があり,基部は心形になるものもある。葉面にピンクや赤銅色斑点が目立ち,美しい。葉腋から長い紐状の花穂を出し,紅赤色を帯びる。密集する個々の花は小さく,花弁はない。葉の色や斑の入り方などで多くの園芸品種がある。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「アカリファ」の意味・わかりやすい解説

アカリファ
あかりふぁ
[学] Acalypha

トウダイグサ科(APG分類:トウダイグサ科)の低木性の観葉植物。熱帯から亜熱帯にかけて約25種分布する。このうち園芸植物として栽培されるのは、葉が緑色卵状で鋸歯(きょし)があり、黄色の覆輪があるキフクリンアカリファ、赤銅色の葉に黄覆輪フクリンアカリファ、赤銅色、赤紫色葉に濃淡のモザイク状の斑(ふ)が入るニシキアカリファ、葉腋(ようえき)に紫桃色の紐(ひも)状花をつけるベニヒモノキなどである。前3種は観葉種、ベニヒモノキは長い花穂を観賞し鉢花として栽培される。いずれも挿木で簡単に殖やすことができ、冬季は7~8℃以上に保つ。観葉種は強い日照で鮮やかな葉色を呈する。

[鶴島久男 2020年6月23日]


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