アカリファ(その他表記)copper leaf
Acalypha

デジタル大辞泉 「アカリファ」の意味・読み・例文・類語

アカリファ(〈ラテン〉Acalypha)

トウダイグサ科エノキグサ属の多年草熱帯亜熱帯産。園芸では、観葉植物として、温室栽培する数種の植物総称

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精選版 日本国語大辞典 「アカリファ」の意味・読み・例文・類語

アカリファ

  1. 〘 名詞 〙 ( [ラテン語] Acalypha ) タカトウダイ科エノキグサ属の属名。熱帯、亜熱帯産。園芸では、温室栽培する観葉植物数種の総称。

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改訂新版 世界大百科事典 「アカリファ」の意味・わかりやすい解説

アカリファ
copper leaf
Acalypha

トウダイグサ科の植物で,温帯~熱帯に450種が分布し,一年草~高木まで多種多様である。エノキグサなど数種が日本にも分布する。熱帯産の数種が園芸植物として栽植され,いずれも2~4mの小低木である。アカリファ・ウィルケシアナA.wilkesiana Muell.Arg.は南太平洋の島々原産の常緑低木で,園芸品種が多く,銅赤色の長卵形葉で淡桃色の覆輪となるフクリンアカリファcv.Marginata,葉縁が少し切れ込み,緑,ピンク,黄白,銅赤色が細かくモザイク状に入るニシキアカリファcv.Musaicaなどが明治末年に日本に導入されている。ほかに葉面の凹凸がはげしい卵円形葉で,細く黄白色の覆輪となるキフクリンアカリファA.godseffiana Mast.や,その変種で,葉が細長くねじれるホソバキフクリンアカリファcv.Heterophyllaなどがある。これらは鉢植えのほか,夏の花壇にもよく,熱帯では生垣としても利用される。ベニヒモノキA.hispida Burm.f.は,枝の上部葉腋ようえき)から桃赤色のひも状の花穂を30~40cmも下垂する。鉢植えのほか夏の花壇にもよい。花穂が白色の変種(cv.Alba)もある。繁殖は挿木でふやす。寒さに弱いので,冬は8~10℃以上に保護する。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「アカリファ」の意味・わかりやすい解説

アカリファ
Acalypha; copperleaf; three-seeded mercury

トウダイグサ科の属名で,草本または木本。熱帯から亜熱帯にかけて約 300種が分布する。葉は互生し,多くは卵形で粗い鋸歯をもつ。雌雄同株または異株。花は小型で花弁を欠き,穂状花序を形成する。アカリファ・ウィルケシアナは特に葉色が美しい木本で,赤や黄,淡黄色などの斑 (ふ) 模様の葉をもつ多彩な品種があり,熱帯各地で生垣や街路樹などに利用されている。一方,同じく木本のベニヒモノキ A.hispidaや草本のキャッツテールのように,紅色の細長い穂状花序を観賞するものが鉢植えで流通する。暖地では戸外で越冬するが,関西地方以北では枯死することが多いため,冬期は温室または明るい室内で管理する。よく日に当てたほうが葉色が鮮明になる。

アカリファ
Acalypha wilkesiana

トウダイグサ科の低木。南太平洋のニューブリテン島原産とされ,観賞用に広く栽培される。高さ2~3mになるが,観葉植物として鉢植にされるものは低い。葉は互生し長い柄があり,葉身は先のとがった広卵形で長さ 10~20cm,縁に鋸歯があり,基部は心形になるものもある。葉面にピンクや赤銅色の斑点が目立ち,美しい。葉腋から長い紐状の花穂を出し,紅赤色を帯びる。密集する個々の花は小さく,花弁はない。葉の色や斑の入り方などで多くの園芸品種がある。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「アカリファ」の意味・わかりやすい解説

アカリファ
あかりふぁ
[学] Acalypha

トウダイグサ科(APG分類:トウダイグサ科)の低木性の観葉植物。熱帯から亜熱帯にかけて約25種分布する。このうち園芸植物として栽培されるのは、葉が緑色卵状で鋸歯(きょし)があり、黄色の覆輪があるキフクリンアカリファ、赤銅色の葉に黄覆輪のフクリンアカリファ、赤銅色、赤紫色葉に濃淡のモザイク状の斑(ふ)が入るニシキアカリファ、葉腋(ようえき)に紫桃色の紐(ひも)状花をつけるベニヒモノキなどである。前3種は観葉種、ベニヒモノキは長い花穂を観賞し鉢花として栽培される。いずれも挿木で簡単に殖やすことができ、冬季は7~8℃以上に保つ。観葉種は強い日照で鮮やかな葉色を呈する。

[鶴島久男 2020年6月23日]


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百科事典マイペディア 「アカリファ」の意味・わかりやすい解説

アカリファ

熱帯・亜熱帯原産のトウダイグサ科の小低木または草本(そうほん)。温室内で観賞用として植栽および鉢植にする。さし木でふやす。南太平洋諸島原産種から生まれた園芸品種のニシキアカリファは高さ80cm内外,緑葉に黄だいだい色と赤の斑がモザイク状に入り美しい。また,キフクリンアカリファは緑葉に黄白色の覆輪が入る。インド原産といわれるベニヒモノキは50〜150cmぐらいの高さになり,赤い花が40cmほどの穂状花序をなしてたれさがる。

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世界大百科事典(旧版)内のアカリファの言及

【エノキグサ(榎草)】より

…日本全土の畑地や路傍に普通にみられるトウダイグサ科の夏緑一年生雑草(イラスト)。エノキに似た葉をつけるところから榎草とよばれる。茎は直立し,30~50cmになる。8月ころ,開花。花は単性花で,小さな褐色の雄花が多数集まって穂状の花序をつくり,その基部に緑色の苞葉に包まれた雌花が通常1個つく。この苞葉が編笠に似るところから,アミガサソウともよばれる。属の学名Acalyphaは,〈美をつかんでいない〉という意味で,雌花も雄花も美しい花弁などをもたない風媒花である。…

※「アカリファ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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