トウダイグサ科の植物で,温帯~熱帯に450種が分布し,一年草~高木まで多種多様である。エノキグサなど数種が日本にも分布する。熱帯産の数種が園芸植物として栽植され,いずれも2~4mの小低木である。アカリファ・ウィルケシアナA.wilkesiana Muell.Arg.は南太平洋の島々原産の常緑低木で,園芸品種が多く,銅赤色の長卵形葉で淡桃色の覆輪となるフクリンアカリファcv.Marginata,葉縁が少し切れ込み,緑,ピンク,黄白,銅赤色が細かくモザイク状に入るニシキアカリファcv.Musaicaなどが明治末年に日本に導入されている。ほかに葉面の凹凸がはげしい卵円形葉で,細く黄白色の覆輪となるキフクリンアカリファA.godseffiana Mast.や,その変種で,葉が細長くねじれるホソバキフクリンアカリファcv.Heterophyllaなどがある。これらは鉢植えのほか,夏の花壇にもよく,熱帯では生垣としても利用される。ベニヒモノキA.hispida Burm.f.は,枝の上部葉腋(ようえき)から桃赤色のひも状の花穂を30~40cmも下垂する。鉢植えのほか夏の花壇にもよい。花穂が白色の変種(cv.Alba)もある。繁殖は挿木でふやす。寒さに弱いので,冬は8~10℃以上に保護する。
執筆者:高林 成年
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トウダイグサ科(APG分類:トウダイグサ科)の低木性の観葉植物。熱帯から亜熱帯にかけて約25種分布する。このうち園芸植物として栽培されるのは、葉が緑色卵状で鋸歯(きょし)があり、黄色の覆輪があるキフクリンアカリファ、赤銅色の葉に黄覆輪のフクリンアカリファ、赤銅色、赤紫色葉に濃淡のモザイク状の斑(ふ)が入るニシキアカリファ、葉腋(ようえき)に紫桃色の紐(ひも)状花をつけるベニヒモノキなどである。前3種は観葉種、ベニヒモノキは長い花穂を観賞し鉢花として栽培される。いずれも挿木で簡単に殖やすことができ、冬季は7~8℃以上に保つ。観葉種は強い日照で鮮やかな葉色を呈する。
[鶴島久男 2020年6月23日]
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…日本全土の畑地や路傍に普通にみられるトウダイグサ科の夏緑一年生雑草(イラスト)。エノキに似た葉をつけるところから榎草とよばれる。茎は直立し,30~50cmになる。8月ころ,開花。花は単性花で,小さな褐色の雄花が多数集まって穂状の花序をつくり,その基部に緑色の苞葉に包まれた雌花が通常1個つく。この苞葉が編笠に似るところから,アミガサソウともよばれる。属の学名Acalyphaは,〈美をつかんでいない〉という意味で,雌花も雄花も美しい花弁などをもたない風媒花である。…
※「アカリファ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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