アテトーシス(読み)あてとーしす(英語表記)athetosis 英語

日本大百科全書(ニッポニカ) 「アテトーシス」の意味・わかりやすい解説

アテトーシス
あてとーしす
athetosis 英語
Athetose ドイツ語

主として四肢および顔面におこるややゆっくりした不随意運動で、手足末端に特異な肢位を示すようになる。アテトーゼともいう。随意運動をつかさどる中枢神経系には、大脳の皮質細胞からいろいろの指令を出す錐体(すいたい)路系と、四肢の運動系の調節をしている錐体外路系があり、錐体外路系の調節に異常を生ずると種々の不随意運動が現れてくる。アテトーシスはその一種で、原因は、錐体外路系のうち、脳の基底核が血管障害、黄疸(おうだん)、炎症腫瘍(しゅよう)、薬物などによって破壊されるためである。睡眠中は現れず、目が覚めて活動しているときにおこり、精神緊張などで増強する。出産障害による低酸素症、新生児黄疸などにより小児期から発症するものが多かったが、近年交換輸血その他によって激減した。治療としてはあまり有効なものはないが、トランキライザーなどの薬物療法や、大脳の視床部への冷凍ないし破壊術などが試みられ、多少の効果をあげている。

[里吉営二郎]

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