熱帯アメリカに200種が分布するキツネノマゴ科の常緑草本性低木で,観賞価値の高い種類が多い。キンヨウボクA.squarrosa Neesはブラジル原産で,花序の苞も花も鮮黄色の種である。その園芸品種ルイセーcv.Louisaeは先のとがった長卵形葉を対生し,濃緑色の葉の表は葉脈が黄白色で観賞価値が高い。茎頂に長さ10cm以上の四稜形の花穂を直立する。苞は大きく宿存して長期間美しい。花は筒状で,先端は2唇状になり,花穂の下方から咲いてゆく。種内交雑と選抜から育成されたダニアcv.Daniaは,茎が太く葉も幅広く,節間がつまり草姿がよいので,栽培されることが多い。アフェランドラ・アウランティアカA.aurantiaca Lindl.は小型種で,橙赤色花が次々と咲き続け,花穂は長さ15cm以上になる。葉が少なく,やや育てにくい。鮮黄色花のアフェランドラ・カミッソニアーナA.chamissoniana Neesや,橙黄色の苞にピンクの花をつけるアフェランドラ・シンクライリアーナA.cinclairiana Neesもまれに栽培される。挿木でふやし,冬は12℃以上に保つ。20℃以上に保温すれば,品種によっては冬もよく開花する。
執筆者:高林 成年
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キツネノマゴ科(APG分類:キツネノマゴ科)の常緑草本。熱帯および亜熱帯アメリカ原産。茎は直立しあまり分枝せず、葉は対生。花(穂状花序)の美しい種類、葉の色と模様の美しい種類が2、3種栽培される。代表的なものには花が緋(ひ)赤色で葉が灰緑色のオウランティアカ、穂状花が黄色く葉は濃緑色で葉脈が銀白色のスクアルローザがあり、この園芸品種のルーイセー、ダニアがよく普及している。キンヨウボク(錦葉木)は卵状楕円(だえん)形の緑色の葉に黄白色の模様が入り、明治中期からよく栽培されている。性質は弱く、夏は日陰、冬は日の当たる場所に置き、15~20℃に保つ。繁殖は挿木により、葉を3枚以上つけ6月に挿す。軽い土を好む。
[坂梨一郎 2021年10月20日]
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