アポロドロス(英語表記)Apollodōros

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「アポロドロス」の意味・わかりやすい解説

アポロドロス[ダマスカス]
Apollodōros of Damascus

ギリシアの建築家,技師。トラヤヌス帝 (在位 98~117) 時代にローマ活躍皇帝の命を受けてドナウ川に長大な橋を建設したほか,アンコナの凱旋門,ローマに円形劇場浴場,音楽堂など多くの公共建築物を建てたと伝えられる。特にローマのトラヤヌス帝のフォールム (公共広場) の建設 (107~113) が著名で,現在もその中央に彼が建てた同帝の巨大な記念柱 (→トラヤヌス帝記念柱 ) が残っている。

アポロドロス
Apollodōros

古代ギリシアの画家。前5世紀後半アテネで活躍。プリニウスによると,従来の線的描写を改革し,色彩混合による陰影描法を展開,ギリシア絵画の発展にきわめて重要な貢献をした。このため彼はスキアグラフォス,すなわち「陰影の画家」と呼ばれる。作品は現存しないが古い文献によると,『オデュッセウス』『祈る司祭』などがある。

アポロドロス[アテネ]
Apollodōros of Athens

[生]前180頃
[没]?
ギリシアの学者アレクサンドリアからペルガモンを経て,アテネに移った。著書は歴史,地理,神論ほか多岐にわたったが,現存するのは断片のみ。彼の名のもとに伝わる『ギリシア神話』 Bibliothēkēは,実は1~2世紀の別人の作。

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