出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
その植物繊維を衣類や製紙、敷物、籠(かご)などの原料にする植物をいう。繊維植物は有史以前より日常生活に重要な役割を果たしてきた。身近に利用される種類も多く、2000種以上あると推定されている。フィリピンだけでも750種を上回るといわれる。しかし、流通機構にのるものは紡績用のワタやアサなど数少ない。化学繊維や合成繊維の出現で加工的な軽工業は衰退したが、天然繊維の持ち味が再認識され、複合繊維活用の時代に突入している。また各種の植物繊維は幅広く「住」の領域で人工材料(テックス、ファイバーボード)の形で盛んに利用されつつある。
繊維植物は用途によって次のように分けられる。紡績・製紙用(コウゾ、ガンピ、ミツマタ、タケ、モミ属、トウヒ属など)、ブラシ・箒(ほうき)用(ココヤシ、ホウキモロコシ、コウボウムギ)、莚(むしろ)や帽子・籠などの組編み用(コシダ、コリヤナギ、アケビ、トウ、シチトウイ、イグサ、アダン、麦藁(わら)など)、クッションや救命用具などの充填(じゅうてん)用(カポック、藁など)、天然布用(シュロ、ヘチマなど)。
また、植物組織の利用部位によって次のように分類できる。種子の表皮の毛である表皮細胞性の繊維を利用するもの(ワタ、トウワタなど)、単子葉植物に多い機械組織にあたる厚膜細胞性の繊維を利用するもの(マニラアサ、サイザルヘンプ、ゲットウ、バショウ、アナナスなど)、木部繊維を利用し、主として製紙パルプに用いられるもの(タケ、エゾマツ、トドマツ、シナノキ、ハンノキ、ヤナギなど)、篩部(しぶ)に発達する長くて軟らかい篩部繊維を利用するもの(アマ、アサ、コウマ、カジノキ、クワ、ヤブマオ、ラミーなど)。
[許 建 昌]
…そうした点からは,再生可能な森林資源の育成はきわめて重要な問題となっている。
[繊維植物]
紙,衣服,マットや籠,あるいはロープなどの結束料として,植物繊維の利用は広範にわたっている。〈結ぶ〉ということがない人間文化は存在しえないだろうし,紙のない現代文明は想像できない。…
※「繊維植物」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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