アンウィン(読み)あんうぃん(英語表記)George Unwin

日本大百科全書(ニッポニカ) 「アンウィン」の意味・わかりやすい解説

アンウィン
あんうぃん
George Unwin
(1870―1925)

イギリス経済史家。苦学しながらカージフ大学、オックスフォード大学宗教哲学を学び、1898年にはドイツに留学してシュモラーを中心とする新歴史学派の影響を受け、経済史の研究に入った。ロンドン・スクール、エジンバラ大学で経済史を講じ、『16、17世紀の産業構造』(1904)、『ロンドンのギルドカンパニー』(1908)などを著した。1910年マンチェスター大学に招かれてイギリスで最初の経済史教授となった。彼の研究は、中世都市、近代初頭の産業構造および産業革命まで広い範囲にわたるが、経済の発展における個人企業ないし各種団体の自由な経済活動の意義を強調した点に特徴がみいだされる。研究者の育成にも大いに努め、アシュトンやウォズワースなど優れた経済史家を生んだ。主著として前掲書のほかに『サミュエル・オルドノウとアークライト家の人々』(1924)がある。

[根本久雄]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「アンウィン」の意味・わかりやすい解説

アンウィン
Unwin, Raymond

[生]1863. ホイストン
[没]1940. コネティカット,オールドライム
イギリスの建築家,都市計画家。 E.ハワードの『明日の田園都市』の影響を受け,1896年ハワードとともに,1903年最初の田園都市をロンドン近郊のレッチワースに設計,B.パーカーとともに全体計画を担当した。この計画は,単なる郊外のベッドタウンではなく,中世の小都市をイメージした職住一体の都市を目指すもので,W.モリスの提唱したアーツ・アンド・クラフツ運動の影響を色濃く受けている。ほかにハムステッド・ガーテン・サバーブ (1904~14) などを手がけ,22年ニューヨーク地域計画顧問,29~33年ロンドン地域計画顧問を歴任RIBA (イギリス王立建築家協会) 会長や 36年からはコロンビア大学建築科客員教授もつとめた。主著に『住宅建築技法』 (02) ,『過密からは何も得られない』 (12) などがある。

アンウィン
Unwin, George

[生]1870
[没]1919
イギリスの経済史家。苦学してカーディフ大学,オックスフォード大学で宗教哲学を学び,ドイツに留学して G.シュモラーの影響を受けて経済史に転じ,1898年帰国後経済史の研究に専念。ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス,エディンバラ大学講師を経て,1910年マンチェスター大学でイギリス最初の経済史教授。おもに中世都市の起源や 16~17世紀の社会構造と経済政策,産業革命などの研究に従事し,経済発展を社会学的に考察する点が特色。主著『16,17世紀の産業組織』 Industrial Organization in the 16th and 17th Centuries (1904) 。

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