アンギーナ(読み)あんぎーな(英語表記)angina

翻訳|angina

日本大百科全書(ニッポニカ) 「アンギーナ」の意味・わかりやすい解説

アンギーナ
あんぎーな
angina

語源は、「けいれん性で息の詰まるような」、あるいは「窒息するような痛み」という意味ラテン語で、そのような痛みを伴う疾患状態に対して古くから使われた。腹部アンギーナとかヒステリー性アンギーナなどの名称が残っているが、ほとんど使用されないものが多い。現在では、もっぱら狭心症という意味で使われるほかは、特殊な咽頭(いんとう)炎、たとえば比較的深い潰瘍(かいよう)をつくるが予後のよいワンサンアンギーナVincent anginaなどが使われているにすぎない。

[河村正三]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「アンギーナ」の意味・わかりやすい解説

アンギーナ
angina

急性扁桃炎のこと。一般に口蓋扁桃急性炎症をいう。頭痛,全身倦怠,高熱 (39~40℃) で始り,扁桃は発赤,腫脹し,ろ胞に一致して小膿栓を生じやすい。これをろ胞性扁桃炎という。白い斑点が腺窩に一致してできるものもある。起炎菌は,レンサ球菌,ブドウ球菌,肺炎球菌などであるが,猩紅熱性アンギーナにみられるように,β型溶連菌によるものでは炎症が激しく,腎炎や心内膜炎,リウマチ熱などの合併症を起しやすい。そのほか麻疹,水痘天然痘などのウイルスによるものや,ジフテリアによるものもある。

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