セルシウス(読み)せるしうす(英語表記)Anders Celsius

日本大百科全書(ニッポニカ) 「セルシウス」の意味・わかりやすい解説

セルシウス
せるしうす
Anders Celsius
(1701―1744)

スウェーデン天文学者、物理学者。ウプサラで、大学の天文学教授の子として生まれる。数学、実験物理学、天文学を学び、教職につき、1730年には父の後を継いでウプサラ大学天文学教授に就任した。ヨーロッパ各地の天文台を歴訪し、オーロラの観察を続け、地磁気との相関を論じて1733年に発表した。パリでモーペルチュイと知り合い、その指揮する地球子午線測定遠征に参加した(1736)。天文学では、星の明るさの等級を決めることなどに貢献した。もっとも重要な業績は、温度測定の基準の提案(1741年。論文は翌1742年)であって、フランスのクリスティンJean-Pierre Christin(1683―1755)と同時またはそれにやや先だって、氷点と(標準気圧下での)水の沸点との間隔を100分割する温度目盛りを考案し、実用化した。もっとも、当初には氷点を100、沸点を0としていた。のちにリンネその他の人が値を逆転し、それが今日の国際単位系(SI)の組立単位としてのセルシウス度(℃)の起源となった。

[高田誠二]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「セルシウス」の意味・わかりやすい解説

セルシウス
Celsius, Anders

[生]1701.11.27. ウプサラ
[没]1744.4.25. ウプサラ
スウェーデンの天文学者。学者一家に生まれた。1730~44年ウプサラ大学の教授を務め,1733年に 1716~32年にわたるオーロラ観測の結果を発表。地球の形をめぐる論争決着をつけるため,子午線の弧の長さを測定することを主張し,1736年にみずからラップランド探検隊に参加,アイザック・ニュートンらの地球扁平説が正しいことを立証した。1740年ウプサラ天文台を設立,台長となる。1742年,1気圧のもとでの水の氷点を 100度,沸点を 0度としてその間を 100等分する温度目盛りを提唱,翌 1743年に水の氷点を 0度,沸点を 100度に入れ替えた。のちに百分度目盛り centigrade scale(日本ではセ氏温度目盛り)と呼ばれるようになった。

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