エステルゴム(読み)えすてるごむ(英語表記)Esztergom

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「エステルゴム」の意味・わかりやすい解説

エステルゴム
Esztergom

ラテン語ではストリゴニウム Strigonium,ドイツ語ではグラン Gran。ハンガリー北部の都市。ブダペスト北西のドナウ河畔に位置する。初めケルト人が住み,次いでローマ領となり,一時はフン民族が占拠した。 10世紀にハンガリー人 (マジャール人) が来住。ハンガリー初代の国王イシュトワーン1世は,ここで戴冠式を行い,以後アールパード朝時代の王都となった。この時代すでに大司教座がおかれ,今日にいたるまで,ハンガリーにおけるカトリックの中心となっている。 12世紀の王宮遺跡,新古典主義様式のエステルゴム大聖堂をはじめ,歴史的に重要な建物が多い。人口2万 9751 (1991推計) 。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「エステルゴム」の意味・わかりやすい解説

エステルゴム
えすてるごむ
Esztergom

ハンガリー北部の小都市。首都ブダペストの北約50キロメートル、スロバキアとの国境に近いドナウ川右岸に位置する。人口2万9452(2001)。8~9世紀ごろはフランク王国城塞(じょうさい)で、オステル・リングムOster Ringum(東の砦(とりで))とよばれていた。10世紀ごろマジャール人に攻略され、イシュトバーン1世即位(1000)によってハンガリー王国最初の首都となる。丘の上にはハンガリー最大の大聖堂があり、同国カトリックの中心となっている。

[古藤田一雄]

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