男の子が父親に敵意を抱き母親に愛情を抱くのに対し、女の子は母親を嫉妬(しっと)し父親に愛情を抱くようになることを、とくにユングはエレクトラ・コンプレックスという。ミケナイ(ミケーネ)の王アガメムノンはその妻クリタイムネストラに殺害されるが、娘のエレクトラは愛する父のため弟のオレステスと協力して母を殺して復讐(ふくしゅう)するというギリシア神話に由来する。男の子の場合のエディプス・コンプレックスに対応するものとユングは考えたが、フロイトは、男女の子供のコンプレックスの構造がこのように対応しているとは考えない。エディプス・コンプレックスの形成と克服の過程が男女ではまったく異なっているからである。すなわち、女の子では去勢コンプレックス(男根羨望(せんぼう))からエディプス・コンプレックスが始まるのに対し、男の子では去勢コンプレックス(去勢不安)によってエディプス・コンプレックスが終わるのである。
[外林大作・川幡政道]
『フロイト著、懸田克躬・吉村博次訳「女性の性愛について」(『フロイト著作集5』所収・1969・人文書院)』
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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