日本大百科全書(ニッポニカ) 「オサガメ」の意味・わかりやすい解説
オサガメ
おさがめ / 筬亀
長亀
革亀
leatherback turtle
luth
[学] Dermochelys coriacea
爬虫(はちゅう)綱カメ目オサガメ科のカメ。太平洋、インド洋、大西洋の熱帯から亜熱帯の海洋に生息し、現生するウミガメ類のなかで最大の種類である。強大な遊泳力があり、海流にのって熱帯から亜寒帯海域にまで出現する。日本の沿岸では太平洋岸はもとより、日本海側や北海道周辺でも採捕されるが、多くはない。産卵期以外は沿岸に近づくことが少ない沖合い性のウミガメである。老成すると甲長2メートル、体重650キログラムを超える。甲は他のウミガメ類と著しく異なり、薄い滑らかな皮膚で覆われている。また背甲には7本の縦走する隆起が顕著で、中央の1本は尾状突起の後端にまで達する。クラゲ類、サルパ類などの大形の浮遊生物を専食する肉食性のウミガメで、卵は食用にされるが、肉の利用はまれである。
[内田 至]