お園六三(読み)おそのろくさ

精選版 日本国語大辞典 「お園六三」の意味・読み・例文・類語

おそのろくさ【お園六三】

大坂南地福島屋の遊女お園と大工の六三郎とが、寛延二年(一七四九西横堀投身心中したという巷説脚色した戯曲通称浄瑠璃「八重霞浪花浜荻(やえがすみなにわのはまおぎ)」、常磐津三世相錦繍文章(さんぜそうにしきぶんしょう)」、新歌舞伎「心中浪華春雨(しんじゅうなにわのはるさめ)」などの通称。

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デジタル大辞泉 「お園六三」の意味・読み・例文・類語

おその‐ろくさ【お園六三】

寛延2年(1749)に起こった大坂南地の遊女お園と大工の六三郎との心中事件を脚色した、浄瑠璃歌舞伎などの通称。常磐津節三世相錦繍文章さんぜそうにしきぶんしょう」が有名。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「お園六三」の意味・わかりやすい解説

お園六三
おそのろくさ

浄瑠璃(じょうるり)、歌舞伎(かぶき)に登場する人物名。1749年(寛延2)大坂・南新地福島屋の遊女お園が大工六三郎と心中したという実説がもとだが、脚色では北の新地の遊女かしくが兄を斬(き)った事件を絡ませることが多い。近松徳三作『色競(だてくらべ)かしくの紅翅(べにがき)』(1808)をはじめ数種あるが、なかで3世桜田治助(じすけ)作『三世相錦繍文章(さんぜそうにしきぶんしょう)』(1857)は常磐津(ときわず)の名曲として有名。近世では岡本綺堂(きどう)作『心中浪花の春雨(しんじゅうなにわのはるさめ)』がある。

[松井俊諭]

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歌舞伎・浄瑠璃外題よみかた辞典 「お園六三」の解説

お園六三
(通称)
おその ろくさ

歌舞伎・浄瑠璃の外題
元の外題
八重霞花浜荻 など
初演
元文3.5(大坂・新九郎座)

お園六三
(別題)
おその ろくさ

歌舞伎・浄瑠璃の外題。
元の外題
おその六三
初演
天保7.2(江戸市村座)

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