カクレミノ(読み)かくれみの

日本大百科全書(ニッポニカ) 「カクレミノ」の意味・わかりやすい解説

カクレミノ
かくれみの / 隠蓑
[学] Dendropanax trifidus (Thunb.) Makino

ウコギ科(APG分類:ウコギ科)の常緑小高木。高さは普通は約5メートルで、樹皮は黄灰白色を帯びる。葉は互生し、厚い革質、広卵形で浅く3~5裂し、長さ6~12センチメートル、長柄がある。花は7~8月、当年枝の先の散形花序につき、淡黄緑色。核果は黒紫色に熟す。沿岸地によく生え、宮城県以西の本州、四国、九州、沖縄、朝鮮半島と台湾に分布する。名は、葉の形を蓑(みの)に例えたもの。器具材や庭木として用いるほか、樹液黄漆と称し塗料とする。カクレミノ属はアジアと熱帯アメリカに90種分布する。

[門田裕一 2021年11月17日]


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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「カクレミノ」の意味・わかりやすい解説

カクレミノ(隠蓑)
カクレミノ
Dendropanax trifidus

ウコギ科の常緑の小高木。関東地方より西の各地山中に生じる。人家に植えることもある。葉は長い柄があって互生し,長さ6~10cmの卵形上部が浅く2~3裂するものもある。特に若枝の葉は大型で,明瞭に3裂する。やや硬く光沢があり,質感ヤツデの葉に似ている。初夏に,枝先に散形花序をつけ,黄緑色の5弁の小花を多数つける。果実は 1cm足らずの楕円形で黒く熟する。樹皮に粘性のある樹脂を含み,かつては塗料用に使われたこともある。

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