カリシュ(読み)かりしゅ(英語表記)Kalisz

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「カリシュ」の意味・わかりやすい解説

カリシュ
Kalisz

ポーランド中部,ウィエルコポルスキェ県の都市。ウッチの西約 100km,プロスナ川に臨む工業都市。ポーランド最古の都市の一つで,すでに2世紀にクラウディオス・プトレマイオスの『地理学便覧』 Geographike hyphegesisにカリシアとして名がある。ローマ帝国バルト海を結ぶいわゆる琥珀の道上の要地であった。 13世紀カリシュ公国の首都。 1343年ここでポーランド王国ドイツ騎士団との間にカリシュ和平条約が結ばれた。 1793年第2次ポーランド分割によりプロシアに占領された。第2次世界大戦中は対ドイツ抵抗運動の中心地の一つで,住民約2万 8000人が殺された。産業は織物業が最も盛ん。人口 10万 9498 (2002) 。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「カリシュ」の意味・わかりやすい解説

カリシュ
かりしゅ
Kalisz

ポーランド中西部、ビエルコポルスカ県の都市。人口8万0766(2002)。ポズナニの南東100キロメートルにあり、2世紀、プトレマイオスの時代に記録に登場するポーランド最古の都市である。ポーランド王国発祥の基盤となったビエルコポルスカ平野の一角を占め、バルタ川支流のプロスナ川に臨む。カリシュは、モラビアチェコ)を経て地中海に至る南北の遠隔地貿易のルートにあり、琥珀(こはく)取引の中心であった。早くからレース、ビロード絹織物など手工業が発達した。現在各種の繊維工業のほか、電気機械、カリシアの名で知られるピアノ製造、皮革工業が盛ん。

山本 茂]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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