カンディド(英語表記)Candide ou l'Optimisme

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「カンディド」の意味・わかりやすい解説

カンディド
Candide ou l'Optimisme

フランスの思想家,作家ボルテールの哲学小説。 1759年刊。副題「楽天主義」。 18世紀風刺文学の代表作。ライプニッツの予定調和説に対する批判と,リスボンの大地震 (1755) の際にルソーとの論争の種となった神の摂理の問題に対する回答を兼ねた小説。主人公カンディドはさまざまな困難に出会い,何度も破局に陥りながらも屈せず,働く喜びを次第に体得し,ついに「私たちは自分の畑を耕さなくてはなりません」という境地に達する。当時の政治,社会,思想に対する作者の痛烈な批判が,主人公の運命叙述のうちに示されている。

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