日本大百科全書(ニッポニカ) 「カンプラ」の意味・わかりやすい解説
カンプラ
かんぷら
André Campra
(1660―1744)
フランスの作曲家。南フランスのエクサン・プロバンスに生まれる。アルル、トゥールーズなどで活躍ののち、1694年パリのノートル・ダム大聖堂の楽長に就任。しかし偽名を使ってオペラを作曲したのが発覚、1700年に解任される。以後はおもに舞台音楽を作曲したが、1722年王室礼拝堂の音楽家の一人に選任され、ふたたび宗教音楽と世俗音楽の両方を作曲した。彼はドラマの進展よりもバレエの場面を重視したオペラ・バレエというジャンルをつくり、その第一作『ベネチアの謝肉祭』(1699)はその典型とされる。作品は、宗教音楽も含め、洗練されたフランス様式とイタリアの旋律美の融合を特色としている。
[美山良夫]