日本大百科全書(ニッポニカ) 「ガロファロ」の意味・わかりやすい解説
ガロファロ
がろふぁろ
Raffaele Garofalo
(1852―1934)
イタリアの刑法学者。ロンブローゾ、フェリーとともに犯罪人類学派の代表者。ナポリの貴族の家柄の生まれ。治安判事、検察官、弁護士を経験したのち、ナポリ大学の刑法、刑事訴訟法教授、さらに王国上院議員となる。犯罪の心理学的考察を出発点とし、刑法実務に関心を払いながら、犯罪の本質を哀れみと誠実という基本的愛他的感情の欠陥によって特徴づけ(自然犯)、立法者の見解や時代によって変わりうる法定犯と区別した。殺人者、暴力的犯罪者、窃盗犯、性犯罪者を四つの基本的犯罪者の種類とし、社会的ダーウィニズムの立場から、その者たちに社会防衛手段が講じられるべきことを主張した。主著『犯罪学』Criminologiaは各国語に翻訳された。
[須々木主一]