キセワタ(読み)きせわた

日本大百科全書(ニッポニカ) 「キセワタ」の意味・わかりやすい解説

キセワタ
きせわた
[学] Leonurus macranthus Maxim.

シソ科(APG分類:シソ科)の多年草で、山の草地に生える。茎は方形で直立し、高さ40センチメートルから1メートル。葉は対生し、短い柄があり、卵形全体に粗い毛があり、長さ5~9センチメートル、縁に粗い鋸歯(きょし)がある。花は8~9月ごろ茎上部葉腋(ようえき)に集まってつき、淡紅紫色、二唇形で長さ2.5~3センチメートル。外面は白毛が多く、物の上にかぶせる綿、すなわち着せ綿で花が覆われたようにみえるのでキセワタの名がある。萼(がく)は5裂し、裂片は鋭い刺(とげ)状。北海道から九州、朝鮮、中国に分布する。

村田 源 2021年8月20日]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「キセワタ」の意味・わかりやすい解説

キセワタ
Philine argentata

軟体動物門腹足綱キセワタ科。殻高 2cm,殻径 1.4cm。軟体は白色でナメクジ状,前方に大きい方形の頭楯があるが眼や触角を欠き,後方は殻を外套膜で完全に包み込んでいる。殻は白色,半透明で薄く,螺塔ははなはだ小さい。体層は大きいが広い殻口で占められ,巻いている部分は狭い。殻表は全面に刻点列の螺状溝がある。二枚貝などをまるのみにして食べ,胃にある3つの石灰質の板 (胃板) ですり砕いて消化する。北海道南部から九州に分布し,水深 30mぐらいまでの砂泥底にすむ。

キセワタ(着せ綿)
キセワタ
Leonurus macranthus

シソ科の多年草。各地山野に自生する。高さ 60~90cm。地下茎ひげ根を多く生じ,地上茎は直立して,断面は方形で全体が毛におおわれている。下部の葉は卵形,上部のものは広披針形で,あらい鋸歯があり,毛がある。花は紅紫色の唇形花で夏から秋に咲く。

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