キッコーマン(読み)きっこーまん

日本大百科全書(ニッポニカ) 「キッコーマン」の意味・わかりやすい解説

キッコーマン(株)
きっこーまん

しょうゆ業界最大手の食品会社。1917年(大正6)、江戸時代からしょうゆ業を営んできた千葉県野田地方の茂木(もぎ)、高梨(たかなし)一族が合同して野田醤油(しょうゆ)(株)を設立。1925年に万上味醂(まんじょうみりん)(株)などを合併し、翌年、業界初の近代的量産工場を完成、27年(昭和2)には商標キッコーマンに統一した。第二次世界大戦後1948年(昭和23)に新式2号醤油製造法、55年にNK式タンパク質原料処理法を開発、技術を公開した。海外にも進出、1973年アメリカ、84年シンガポールに工場設立、製品出荷を行っている。販売網を広げるとともに、ソース焼酎(しょうちゅう)、ワインや食品など経営の多角的展開を図り、1964年キッコーマン醤油(株)に、80年現社名に改称。資本金116億円(2008)、売上高4139億円(2008。連結ベース)。千葉県野田市、兵庫県高砂(たかさご)市に工場がある。

[中村清司]

『キッコーマン株式会社編・刊『キッコーマン株式会社八十年史』(2000)』

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「キッコーマン」の意味・わかりやすい解説

キッコーマン

醤油メーカー最大手。 1917年野田醤油として設立,25年萬上味醂を合併。 57年アメリカに販売現地法人キッコーマン・インターナショナルを設立。 61年吉幸食品工業,盛進製薬,62年マンズワインをそれぞれ設立。 64年キッコーマン醤油と改称,80年現社名に変更。 63年アメリカのデルモンテ (レイノルズ・インダストリーズ子会社) との合弁会社日本カルパックを設立。 69年アメリカの東洋食品輸入販売会社ジェイ・エフシー・インターナショナル,70年食品商社太平洋貿易にそれぞれ資本参加。 72年アメリカに醤油生産会社キッコーマン・フッズを設立。 90年,極東におけるデルモンテ商標の永久専用使用権取得。近年はワイン,トマト製品をはじめとして食品分野の多角化を目指しており,海外へも積極的に進出している。売上構成比は,醤油 44%,食品 15%,デルモンテ 16%,酒類 22%,その他3%。年間売上高 2294億 7500万円 (連結。うち輸出2%) ,資本金 115億 9900万円 (1998) ,従業員数 2834名 (1999) 。

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