日本大百科全書(ニッポニカ) 「ククテニ文化」の意味・わかりやすい解説
ククテニ文化
くくてにぶんか
Cucuteni
ヨーロッパの新石器(農耕)文化の一つ。紀元前四千年紀ごろルーマニアを中心に広まった。小麦、大麦、キビを栽培し、石鎌(いしがま)で収穫し、石臼(いしうす)、石杵(いしきね)、かまどを用いて調理した。ウシなどを飼育したが、狩猟もなお盛んであり、アカシカを主とする野生動物を捕獲した。土器は、白、赤、黒などで彩る彩文土器を特徴とする。器形には、坏(つき)、把手(とって)付き壺(つぼ)などがある。女性土偶が多くつくられた。集落の多くは一重または二重の堀で囲まれ、2室ないし4室からなる住居が、円形、平行に配置されていることが多い。ククテニ・トリポリエ文化と総称されるように、トリポリエ文化との関連が強い。
[鈴木忠司]