ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「クリシュナムルティ」の意味・わかりやすい解説
クリシュナムルティ
Krishnamurti, Jiddu
[没]1986.2.17. カリフォルニア,オーハイ
インドの宗教哲学者,思想家。イギリス領インド植民地政府の官吏 (最上層バラモン出身) の第8子として生れる。熱心な神智協会の信者だった父の影響のもとで育ち,12歳のとき,同協会指導者の A.ベサントから「東方の星修道会」の首座 (仏陀の化身) に任命された。 1909年に神智協会の国際的な拠点であったアディアール (マドラス近郊) に移住。その後,イギリス,フランス,アメリカで修行を積み,21年に帰国。 29年,あらゆる権威や称号も否定されるべきだと考えて同協会を解散。清貧に心身をゆだねる生活をおくるなかで,国家や宗教に依存するのではなく自己精神の絶対的な自立こそが人間を真理 (自由,愛,平和) へ導くという教義を生み出した。主著『生と覚醒のコメンタリー』 Commentaries on Living (1956) ,『生の全体性』 The Wholeness of Life (79) ,『真理の種子』 Truth and Actuality (80) 。
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