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断郊競走ともいう。野原,草原,丘陵,森林など自然の地形を利用し,変化のあるコースを選んで行う長距離競走。競技場で行うトラック・レースや道路主体のマラソン,駅伝競走とは区別される。ウサギになった何人かの子どもが紙片をまきながら逃げると,それを他の大勢の子どもが猟犬になって追いかけるというイギリスの子どもの遊び〈ウサギ狩りごっこpaper-chase〉から発展したものといわれるが,最初にクロスカントリーとして組織されたのは1867年で,ロンドンのテムズ・ボートクラブが冬期間の足・腰のトレーニングとしてこれを採用したといわれている。77年には第1回のイギリス選手権が行われ,90年にはアメリカでも最初の選手権が開かれた。国際レースは98年フランスとイギリスの間で行われた対抗レースが最初である。1903年には国際クロスカントリー連盟も設立されている。日本では道路を使っての駅伝競走のほうが人気があるが,欧米では冬期間の中・長距離ランナーのトレーニング,あるいは一般の人の“走る楽しみ”として非常に盛んである。とくに道路と違って柔らかい草地などを走るため足を痛めないこと,弾力があるためばねの養成にもってこいであること,交通事故の危険が少ないことなどの利点がある。距離はとくに限定されていないが,一般に男子は10~15km,女子は2~5km。団体および個人のレースがあるがタイムは公認されない。コースはふつう左側に赤旗,右側に白旗を立てて走者が迷わないようにする。旗の大きさは125m離れた距離から見えるものでなければならない。オリンピックでは1912年の第5回ストックホルム大会で陸上競技種目の一つとして採用され,24年の第8回パリ大会まで続いたが,このレースが炎天下で行われ倒れる選手が続出したため以後中止となった。現在では近代五種競技の1種目として採用されている。日本では千葉市検見川,奈良公園などで毎年冬にクロスカントリー・レースが行われている。
執筆者:加藤 博夫
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…また,これまで外国選手の前に問題にならなかったトラック種目でも97年の世界選手権1万mで千葉真子が3位,96年のアトランタ・オリンピックでは5000mで志水見千子が4位に入賞するなど最近は女子長距離選手の躍進が特に目立っている。
〔陸上競技の種目〕
大別すると,(1)競技場内の走路(トラック)を使ってタイムを競うトラック競技,(2)走路以外のフィールド上で距離や高さを競うフィールド競技,(3)それ以外の競歩,クロスカントリー・レース,道路競走となる。トラック競技とフィールド競技の複数種目で得点を争うものを混成競技という。…
※「クロスカントリーレース」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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