改訂新版 世界大百科事典 「グリアソン」の意味・わかりやすい解説
グリアソン
Herbert John Clifford Grierson
生没年:1866-1960
イギリスの批評家。スコットランドのアバディーン大学とオックスフォード大学を卒業。エジンバラ大学教授,総長になる。堅実な実証主義にもとづき,広い視野をもつ文化史的な方法を特色とする。《英文学の背景》(1925),《17世紀英文学の交流》(1929),《ミルトンとワーズワース》(1937)などの著述があるが,ジョン・ダンの標準版詩集(1912),《形而上抒情詩選集》(1921)の編纂は,20世紀における,ダンをはじめとする17世紀の形而上詩人の再評価の気運を促し,T.S.エリオットらモダニズムの詩人たちに影響を与えた。修辞学にも詳しく,《カーライルとヒトラー》(1933)という注目すべき論文がある。
執筆者:出淵 博
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報