日本大百科全書(ニッポニカ) 「グリオキサール」の意味・わかりやすい解説
グリオキサール
ぐりおきさーる
glyoxal
もっとも簡単なジアルデヒドであり、シュウ酸アルデヒドともよばれる。
1865年ドイツのデブスHeinrich Debus(1824―1915)により、エタノール(エチルアルコール)を硝酸によって酸化する際に生成することが発見された。のちにエチレングリコール、アセトアルデヒドの酸化によっても生成することが知られた。黄色の結晶または液体。蒸気は緑色で燃えると紫色の炎を出す。水およびエタノール、エーテルなどの有機溶媒に溶ける。重合しやすく溶液中ではポリグリオキサールの形で存在するが、蒸留すると単量体になる。有機合成に多く利用されている。また繊維、紙の表面処理にも用いられる。
[廣田 穰]