グリオキサール(読み)ぐりおきさーる(英語表記)glyoxal

日本大百科全書(ニッポニカ) 「グリオキサール」の意味・わかりやすい解説

グリオキサール
ぐりおきさーる
glyoxal

もっとも簡単なジアルデヒドであり、シュウ酸アルデヒドともよばれる。

 1865年ドイツのデブスHeinrich Debus(1824―1915)により、エタノールエチルアルコール)を硝酸によって酸化する際に生成することが発見された。のちにエチレングリコールアセトアルデヒドの酸化によっても生成することが知られた。黄色の結晶または液体蒸気緑色で燃えると紫色の炎を出す。水およびエタノール、エーテルなどの有機溶媒に溶ける。重合しやすく溶液中ではポリグリオキサールの形で存在するが、蒸留すると単量体になる。有機合成に多く利用されている。また繊維、紙の表面処理にも用いられる。

[廣田 穰]


グリオキサール(データノート)
ぐりおきさーるでーたのーと

グリオキサール
  OHCCHO
 分子式 C2H2O2
 分子量 58.0
 融点  15℃
 沸点  51℃/776mmHg
 比重  1.14(測定温度20℃)
 屈折率 (n) 1.3826

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「グリオキサール」の意味・わかりやすい解説

グリオキサール
glyoxal

化学式 (CHO)2アセチレンを酸化して得られる。またエチレングリコールを硝酸で酸化しても得られる。黄色柱状晶。融点 15℃,沸点 51℃。アルデヒド基2個から成る。重合しやすい。放置しておくと重合するが,蒸留によって単分子に分解する。水溶液では CH(OH)2-CH(OH)2 の形をとっており,無色である。燃焼すると紫色の炎を出す。有機溶媒に易溶。アンモニア性硝酸銀を還元するが,フェーリング液を還元しない。

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