ケアード(読み)けあーど(英語表記)Edward Caird

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ケアード」の意味・わかりやすい解説

ケアード
Caird,Edward

[生]1835.3.23. グリノック
[没]1908.11.1. オックスフォード
イギリス哲学者。新ヘーゲル学派の指導者。グラスゴー大学オックスフォード大学に学び,1866年グラスゴー大学教授,93~1907年オックスフォード,ベリオル・カレッジの学長カントヘーゲルの影響を受け,観念論立場に立ち,D.ヒューム,J. S.ミルらの経験論に反対した。主著"A Critical Account of the Philosophy of Kant" (1877) ,"Hegel" (83) ,"The Evolution of Religion" (2巻,93) ,"The Evolution of Theology in the Greek Philosophers" (2巻,1904) 。

ケアード
Caird,John

[生]1820.12.15. グリノック
[没]1898.7.30. グリノック
イギリスの神学者。 E.ケアードの兄。 1862年グラスゴー大学教授。主著"An Introduction to the Philosophy of Religion" (1880) ,"Mind and Matter" (88) ,"The Fundamental Ideas of Christianity" (ギフォード講演集,2巻,99) 。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ケアード」の意味・わかりやすい解説

ケアード
けあーど
Edward Caird
(1835―1908)

イギリス・ヘーゲル学派の哲学者。スコットランド生まれ。グラスゴー大学教授。オックスフォード大学学寮長。ヘーゲルを指針としてカント哲学の超克を目ざした。哲学の任務は人間性と神性との調和を図り、主観客観などの相対立する精神要素を和解させ、精神の安らぎを達成することにあり、普遍的絶対意識に基づいて自己行動を決定することによって、それが可能になると主張した。

[宮下治子 2015年7月21日]

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