コア・カリキュラム(読み)こあかりきゅらむ(英語表記)core curriculum

翻訳|core curriculum

日本大百科全書(ニッポニカ) 「コア・カリキュラム」の意味・わかりやすい解説

コア・カリキュラム
こあかりきゅらむ
core curriculum

1930年代以降、アメリカ合衆国で提唱された教育課程カリキュラム)の形態教科の生活化・統合を意図したものであって、一般に、子供の生活上の問題を解決するための単元学習からなる「中心課程(コア)」と、それを支えるものとしての専門分化した体系的な知識、芸術、技術の習得を目的とする「周辺課程」とから構成されている。代表的なものにバージニア・プラン、カリフォルニア・プランがある。日本でも第二次世界大戦後、アメリカの影響のもとで、コア・カリキュラム連盟を中心に研究と試行が活発に行われたが、1950年代、経験主義教育論の勢いが衰えるにつれ、科学主義・系統主義の教科カリキュラムに押されて後退していった。しかし1990年ごろから学習や生活の断片化・抽象化、人格発達上の問題が指摘されるようになり、子供の生活課題にこたえる総合的な学習を教育課程の中軸に組織する意義が説かれ、ふたたび注目を集めるようになった。

[森分孝治]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「コア・カリキュラム」の意味・わかりやすい解説

コア=カリキュラム
core curriculum

社会や自然の学習を中核的部分とし,その周辺に関連的学習を同心円的に構造づけて構成する教育課程の形式。 1930年代アメリカのカリキュラム改造期に,経験主義的教育理論に立脚して考案された。中核部分を経験や問題の単元系列で統合し関連学習やドリル学習をその周辺に配列するのが普通である。第2次世界大戦後日本に導入され,「3層4領域」カリキュラムなど独自の展開をみせたが,系統学習論の台頭に伴って衰退した。

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