こく(読み)コク

デジタル大辞泉 「こく」の意味・読み・例文・類語

こく

形容詞「こ(濃)し」の連用形「こく」の名詞化か。また、漢語「酷」からか》
濃厚なうまみ。「こくのある酒」
内容に深い趣があること。「話にこくがない」
[類語]風味きれ

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「こく」の意味・読み・例文・類語

こ・く

  1. 〘 他動詞 カ行四段活用 〙 ( 「こく(扱)」と同語源 )
  2. 体内にあるものを尻や口から勢いよく外に出す。放つ。たれる。ひる。〔十巻本和名抄(934頃)〕
    1. [初出の実例]「爰なりと息づむひゃうしに、大き成屁を一つぽんとこきたり」(出典:咄本・軽口露がはなし(1691)一)
  3. 他人がものを言うことを卑しんでいう語。ほざく。ぬかす。
    1. [初出の実例]「なんでか在るらふへどかすの様な事をこいて宗門くづしめた」(出典:巨海代抄(1586‐99)上)
    2. 「馬鹿吐(コ)く勿(な)」(出典:社会百面相(1902)〈内田魯庵〉矮人巨人)
  4. ある事をする。好ましくない事をするときにいう。

こく

  1. 〘 名詞 〙 ( 形容詞「こい(濃)」の連用形の名詞化したものか。また、「こく(酷)」からとも ) 酒などの、深みのある濃厚なうまみ。また比喩的に、文章や話などの深みのある趣。
    1. [初出の実例]「佳酒(ええ)どこぢゃない、壜詰の正宗と同一品(ひとつもん)だから、こくがあるんぢゃ」(出典:骨ぬすみ(1899)〈広津柳浪〉四)
    2. 「多少コクのありさうな哲学になればなるほど」(出典:思想と風俗(1936)〈戸坂潤〉文学、モラル及風俗)

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普及版 字通 「こく」の読み・字形・画数・意味


20画

(異体字)
9画

[字音] コク

[説文解字]

[字形] 形声
声符は學(学)(がく)の省文。〔説文〕二上に「することの甚だしきなり」と刻急の意とするが、その用例はない。〔段注〕に〔玄応音義〕の説を引いて、(酷)と声義が近いという。古帝王の名で尭の父であるとされ、〔礼記、祭法〕に殷では祀(ていし)されたという。字はまたに作り、漢の武梁祠堂画像にもその字を用いる。王国維の〔古史新証〕に、舜と同格の神とする推論がある。

[訓義]
1. いそいでつげる。
2. 古帝王の名、ともいう、高辛氏。尭の父、また契(せつ)(殷の祖神)の父ともいう。

[古辞書の訓]
名義抄 サカユ・ヤスシ・マク・タノシ・アヤマチ 〔字鏡集 イソギツグルナリ

[熟語]


【誇】こく

ほこりてらう。〔唐書、后妃上、貴妃楊氏伝〕(宗兄)銛、上國を以て門に戟(げき)を列し、(楊)・國忠、姨五家と第舍亙し、宮禁に擬す。~務めて侈(くわいし)を以て相ひ誇す。

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【袴】こく

はかまと、くつ。

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