サリチル酸の代表的なエステル。o(オルト)-ヒドロキシ安息香酸メチルともよばれる。天然には冬緑(とうりょく)油や白樺(しらかば)油の主成分として存在するほか、広く植物精油中に分布している。実験室的には工業的にもサリチル酸とメタノール(メチルアルコール)とを酸の存在下で反応させて合成する。特有の芳香をもつ無色の液体で、種々の有機溶媒と任意の割合で混じり合う。菓子、チューインガム、歯みがきなどの香料となるほか、消炎剤、神経痛の治療などに軟膏(なんこう)や塗布剤として用いられる。毒性があるので、大量の使用にあたっては注意が必要である。
[廣田 穰]
methyl 2-hydroxybenzoate.C8H8O3(152.15).C6H4(OH)COOCH3.冬緑油,白カバ皮油に90% 以上含まれるほか,多くの精油に存在する.サリチル酸をエステル化して合成される.強い香気をもつ液体.融点-8.6 ℃,沸点244 ℃.1.188.1.535~1.538.有機溶媒に可溶,水に微溶.香料として,また消炎剤,神経痛,リウマチ治療薬に用いられる.[CAS 119-36-8]
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…誘導体には医薬品や香料とされるものが多い。たとえば,メチルエステルであるサリチル酸メチルmethyl salicylate(融点-0.8℃,沸点223.3℃)は,歯磨きやガム,アイスクリームなど食品用フレーバーとしてのほか,皮膚を刺激することにより逆に深部組織の炎症を和らげる目的で,消炎剤(サロメチールはこの商品名)として用いられる。また,無水酢酸を用いてアセチル化して得られるアセチルサリチル酸acetylsalicylic acid(白色の結晶,融点135℃)は,解熱鎮痛剤(アスピリンはこのドイツのバイエル社の商品名)として著名である。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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