サリチル酸メチル(読み)さりちるさんめちる(英語表記)methyl salicylate

日本大百科全書(ニッポニカ) 「サリチル酸メチル」の意味・わかりやすい解説

サリチル酸メチル
さりちるさんめちる
methyl salicylate

サリチル酸の代表的なエステルo(オルト)-ヒドロキシ安息香酸メチルともよばれる。天然には冬緑(とうりょく)油や白樺(しらかば)油の主成分として存在するほか、広く植物精油中に分布している。実験室的には工業的にもサリチル酸とメタノールメチルアルコール)とを酸の存在下で反応させて合成する。特有の芳香をもつ無色液体で、種々の有機溶媒と任意の割合で混じり合う。菓子、チューインガム歯みがきなどの香料となるほか、消炎剤神経痛の治療などに軟膏(なんこう)や塗布剤として用いられる。毒性があるので、大量の使用にあたっては注意が必要である。

[廣田 穰]


サリチル酸メチル(データノート)
さりちるさんめちるでーたのーと

サリチル酸メチル

 分子式 C8H8O3
 分子量 152.1
 融点  -0.8℃
 沸点  223.3℃
 比重  1.188~1.191(測定温度15℃)
 屈折率 (n) 1.535

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「サリチル酸メチル」の意味・わかりやすい解説

サリチル酸メチル
サリチルさんメチル
methyl salicylate

サリチル酸のメチルエステル。精油の冬緑油や白樺皮油の主成分。強い香気をもつ無色の液体である。沸点 224℃。ガムやアイスクリームなど食品用フレーバーとしてのほか,鎮痛消炎剤 (サロメチールなど) に添加して外用される。

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