デジタル大辞泉 「ざます」の意味・読み・例文・類語
ざます[助動]
「
[補説]「ざます」(動詞、助動詞とも)は、「ざんす」の音変化とも、または、「でござります」の音変化ともいう。江戸後期、主として、江戸吉原で用いられた遊里語。現在も女性語として用いられることもある。
( 1 )天保頃(一八三〇‐四四)に江戸吉原の遊女ことばとして発生・普及したとされるが、語源に関しては二説ある。「ます」の盛行により「おざんす」から「ざんす」を経て「ざます」となったとする説と、「ござります」からの転訛とする説とである。
( 2 )「春色梅児誉美」以降、人情本中に用例を多くみるが、使用者は大半が「おいらん」で、次いで「しんぞう」というように限られている。また、「ざます」は「ざんす」「ざあす」「おざんす」等と並行して使われており、待遇上の区別は見いだし難い。
( 3 )天保末年には「なます」とともに江戸吉原の遊女ことばの代表となり、「安愚楽鍋‐二」で花魁が使用しているところから、明治初年頃まで専ら遊女によって使用されたと見られるが、その後インテリ女性が好んで用いるようになり、現代の女性語「ざあます」につながる。
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