シネオール

化学辞典 第2版 「シネオール」の解説

シネオール
シネオール
cineol, cineole

1,3,3-trimethyl-2-oxobicyclo[2.2.2]octane.C10H18O(154.25).p-メンタン炭素骨格をもつモノテルペンオキシド.ユーカリ油など多くの植物精油中に含まれている1,8-シネオールと,ヒッチョウカPiper cubeba果実に含まれている1,4-シネオールとがあるが,普通,前者をさす.1,8-シネオールを加水分解するとトランス形テルペンを生じる.1,8-シネオールは融点1 ℃,沸点174 ℃.1.455.1,4-シネオールは沸点172 ℃.0.9.1.447.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「シネオール」の意味・わかりやすい解説

シネオール(データノート)
しねおーるでーたのーと

シネオール
1,8-シネオール

 分子式 C10H18O
 分子量 154.3
 融点  1℃
 沸点  176.4℃
 比重  0.9214(測定温度15.5℃,水15.5℃)
 屈折率 (n) 1.4586


シネオール
しねおーる
cineole

二環状モノテルペンの一つ。フトモモ科ユーカリノキの葉を水蒸気蒸留して得られる精油であるユーカリ油の主成分ユーカリプトールeucalyptolともいう。天然に広く存在し、樟脳(しょうのう)、ハッカに似た清涼香気を有する無色液体。シネオールを含有する精油を分留して沸点170~180℃の留分をとり、ドライアイスなどの寒剤で冷却し、析出する結晶を分離して製品とする。人造ユーカリ油、鎮咳(ちんがい)剤、殺菌防臭剤として用いられる。

[佐藤菊正]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「シネオール」の意味・わかりやすい解説

シネオール
cineole

化学式 C10H18O 。ユーカリ油の主成分でユーカリプトールとも呼ばれる。クスノキの精油中に存在するモノテルペンアルコールで,ショウノウの香りをもつ無色の液体。沸点 177℃。刺激作用,去痰作用がある。香料医薬品に用いられる。

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