シュミット・ロットルフ(読み)しゅみっとろっとるふ(英語表記)Karl Schmidt-Rottluff

日本大百科全書(ニッポニカ) 「シュミット・ロットルフ」の意味・わかりやすい解説

シュミット・ロットルフ
しゅみっとろっとるふ
Karl Schmidt-Rottluff
(1884―1976)

ドイツ画家ケムニッツ近郊ロットルフ生まれ。1905年ドレスデンの工芸学校建築科に籍を置いたが、同年、同窓キルヒナーヘッケルらと絵画革新を目ざすグループ「ブリュッケ(橋)」を結成し、以後同グループの重要メンバーとして絵画に専心した。11年ベルリンに移住し、表現主義的な雰囲気のなかで活躍、同地に没した。初期にはフォービスムに影響された激しい表現を行ったが、第一次世界大戦以降は鎮静化したモニュメンタル様式に向かった。風景、静物のほか宗教的な制作もある。石版、木版も手がけた。代表作に『アトリエ休息』(1910・ハンブルク芸術ホール)がある。

[野村太郎]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「シュミット・ロットルフ」の意味・わかりやすい解説

シュミット=ロットルフ
Schmidt-Rottluff, Karl

[生]1884.12.1. ケムニッツ,ロットルフ
[没]1976.8.10. ベルリン
ドイツの画家,版画家。ドイツ表現主義の代表者の一人。ドレスデンで建築を学んだが絵画に転じ,1905年 E.キルヒナー,E.ヘッケルらと「ブリュッケ」を創設。 11年ベルリンに移住した。 23~24年イタリア,パリを旅行。 33年ナチスの迫害を受けてプロシア・アカデミーから追放され,41年には一切の制作を禁じられた。第2次世界大戦後ベルリン美術学校教授。 V.ゴッホの影響から出発して表現主義に進み,黒人芸術やキュビスムの影響を受けた。後年は特に色彩問題を追究。早くから版画を手がけ,約 700点の版画を制作した。

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