日本大百科全書(ニッポニカ) 「シンナー」の意味・わかりやすい解説
シンナー
しんなー
thinner
塗料の粘度を下げるために用いる有機系の混合溶剤の総称。塗料用シンナーは油性塗料に用いられ、脂肪族炭化水素系である。ラッカーシンナーは芳香族炭化水素、エステル、アルコールなどであり、いずれも引火しやすい。
なお、1967年(昭和42)から68年にかけて社会問題化した青少年のシンナー遊びは、61年9月ごろから流行した睡眠薬遊びにかわって現れたもので、ポリエチレン製の袋の中にシンナーの蒸気を満たし、その蒸気を吸引すると短時間のうちに酔迷状態に陥り幻覚に襲われる。乱用者には脳神経を冒される者が多い。そのために青少年へのシンナーの販売が規制されている。
[垣内 弘]