ストラスブール大聖堂(読み)ストラスブールだいせいどう(英語表記)Cathédrale Notre-Dame de Strasbourg

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ストラスブール大聖堂」の意味・わかりやすい解説

ストラスブール大聖堂
ストラスブールだいせいどう
La Cathédrale Notre-Dame, Strasbourg

フランスのストラスブールにある聖母マリア大聖堂。 1176年あるいは 1190年に古い聖堂跡に起工され,ロマネスク様式クリプトアプス,北翼廊は早期に完成し,ゴシック様式身廊および南翼廊は 13世紀末までに完成している。 1277年エルビン・フォン・シュタインバハにより西正面の建造が始められ,1439年にはウルリヒ・フォン・エンジンガー施工の双塔を備えた大聖堂がほとんど完成した。中心にばら窓をもつ4層のファサードに高い左右双塔を備えたこの聖堂は,サン・ドニ修道院聖堂の系統を継ぐドイツ・ゴシック建築の最も美しい作例である。第2次世界大戦で南塔を失ない,ファサードを飾っていた 13~14世紀のゴシック彫刻も複製に代えられているが,最も有名な『シナゴーグ像』は,聖堂付属のノートル・ダム美術館に保存されている。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ストラスブール大聖堂」の意味・わかりやすい解説

ストラスブール大聖堂
すとらすぶーるだいせいどう
Cathédrale Notre-Dame de Strasbourg

フランス北東部アルザス地方の中心都市ストラスブールにある、聖母に捧(ささ)げられたカテドラル司教座をもった聖堂)。赤みがかった褐色砂岩を用いている。1015年献堂のロマネスク様式聖堂が1176年の火災で破損したのち、残ったクリプト(地下礼拝堂)やアプス、正面玄関部の一部を保ちつつ、1180年から1270年にかけてゴシック様式で再建された。正面玄関部はのち破壊されたが、北側の塔とともに1276~77年に修復されている。1870年から71年の戦争による徹底的な破壊にもかかわらず、彫刻ステンド・グラスも含めてみごとに修復された。正面玄関部と南北翼廊部の扉口に13世紀中ごろの彫刻が残る。また内部の南側翼廊中央に立つ「天使の柱」の彫刻が美しい。1250~70年に制作されたステンド・グラスも、北翼廊部の「バラ窓」をはじめとして質の高さを誇っている。この聖堂があるストラスブールの旧市街は1988年に世界遺産の文化遺産として登録されている(世界文化遺産)。

[名取四郎]

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