株式や債券、為替などの金融商品の取引から派生したデリバティブの一種。同一通貨で異なるタイプの金利を交換する金利スワップや、異なる通貨の金利、元本の交換を組み合わせる通貨スワップなどがあり、当事者間で事前に交換期間などを取り決める。将来の相場の動きを予想した上で、金利や為替の変動リスクを避けるために利用されるが、見通しが外れれば大きな損失が出る可能性もある。
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外国為替取引の一種で,同一の相手方との間で直物(じきもの)為替(直物為替・先物為替)の売買と同時に,それと反対方向の同額の先物為替の売買を行う取引をいう。たとえば,銀行間取引においてA行がB行との間で100万ドルの直物為替を買うと同時に,100万ドルの3ヵ月物の先物為替を売る場合がこれである。銀行のスワップ取引は,資金調整上の必要と為替持高調整の目的から行われる。前者は,たとえば3ヵ月間ポンド資金を必要とし,ドル資金に余裕があった場合,ドルを対価にポンドの直物為替を買うと同時に,3ヵ月先物で同額のドル買い・ポンド売りの取引を行う。その結果,3ヵ月間ポンド資金の調達が可能となり,またこの間反対方向の先物取引を行っているため,為替持高は不変で新たな為替相場の変動リスク(〈為替ヘッジ〉の項参照)を負わなくてすむことになる。銀行の持高調整のための取引は,たとえばその目的で円を対価にしてドルの先物為替の買手当をしようとしても,その出合いを見いだすことができない場合,まず直物為替でドル買い・円売りの取引を行い,それと同時に同額のスワップ取引,すなわち直物為替でドル売り・円買いの取引と先物為替でドル買い・円売りの取引を行えば,結果としてドルの先物為替の買手当をしたことになる。一般の企業も,短期の対外証券投資や外貨借入れなどに際して,為替相場の変動リスク(為替リスク)を回避し,採算を確定するために取引銀行との間でこうしたスワップ取引を行っている。なお,このようなスワップ取引において直物為替取引と反対方向で行われる先物為替取引と区別し,それ自体独立して行われる先物為替の売買を通常アウトライト取引outright transactionという。
執筆者:河西 宏之
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(吉川満 (株)大和総研常務理事 / 2007年)
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外国為替(かわせ)取引の一種で、為替売買の両当事者が、直物(じきもの)為替(現物為替)の売買と同時に、それと同額の反対方向の先物為替の売買を交差的に行う取引をいい、チェンジ・オーバーchange overともいう。たとえば、AがBから10万ドルの直物為替を買うと同時に、Bに対して10万ドルの3か月物の先物為替を売るようなケース(直買先売(じきがいさきうり))がこれである。この逆の先買直売(さきがいじきうり)ももちろんスワップ取引である。
スワップ取引は、金利裁定の際に裁定期間中の為替リスクを回避するためや、為替銀行の資金調整あるいは為替持高調整の手段として利用される。
[土屋六郎]
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…これは,特定の政策目的をもって為替相場に影響を与えるために行われ,この取引は市場介入(日本では〈平衡操作〉)と呼ばれる。 銀行間取引を大別すると,直物取引,先物取引およびスワップ取引に分かれる。直物取引は,取引の対価の受渡しが原則として取引日の翌々営業日(2営業日目)に行われるものである。…
…金利裁定取引の場合は,投資してから資金を回収するまでに為替相場が変動するリスクがあるため,投資した時点で回収する外貨分の先物売予約をしておく必要がある。したがってこの場合は,投資のための直物取引と同時に,同額で反対の先物予約を行うのが一般的であり,これをスワップ取引という。 以上のような為替リスク回避のための先物為替の利用とは別に,かえって為替相場の変動を利用して利益を得ようとする先物取引もある。…
…スワップswapとは本来〈物々交換〉を意味する英語であるが,民間の外国為替取引においては為替リスクを避け,かつ金利差を利用し有利な資金調達を図るために,売買が逆方向で金額の等しい直物(じきもの)為替と先物為替を抱き合わせて行う取引の意味(スワップ取引ともいう)である。 これに対しスワップ協定は中央銀行間のスワップに関する協定である。…
…このような東京外国為替市場で取引される外貨は,円を対価とする米ドル(ドル・円取引)が圧倒的シェアを有し,その他の外貨取引は米ドル対価で行われ,この種取引はクロス取引と呼ばれる。 市場取引には,直物取引,先物取引およびスワップ取引の3種類がある。直物取引は,資金の受渡しが取引約定日の当日または2営業日以内に行われるものをいうが,実際の取引は2営業日渡しが中心である。…
※「スワップ取引」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
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