セントクリストファーネイビス(読み)せんとくりすとふぁーねいびす(その他表記)Saint Christopher and Nevis

デジタル大辞泉 の解説

セントクリストファー‐ネイビス(Saint Christopher and Nevis)

西インド諸島東部、小アンティル諸島北部にある国。セントクリストファー島ネイビス島からなる。首都バセテール。1983年に英連邦一国として独立農業中心で、サトウキビ・ココナツ・綿花を産する。人口5万(2010)。セントキッツ‐ネイビス。

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精選版 日本国語大辞典 の解説

セント‐クリストファー‐ネイビス

  1. ( Saint Christopher and Nevis ) 中央アメリカ、小アンティル諸島中の、セント‐クリストファー島とネイビス島から成る国。一九八三年イギリス連邦の一員として独立。首都バセテール。

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日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

セント・クリストファー・ネイビス
せんとくりすとふぁーねいびす
Saint Christopher and Nevis

中央アメリカの西インド諸島東部、小アンティル諸島中のリーワード諸島中央部にある国。セント・キッツ・ネイビスとも称される。セント・キッツ島(セント・クリストファー島)とネイビス島からなる。島名のクリストファーは、島を「発見」したクリストファー=コロンブスの名前に由来し、クリストファーの愛称がキッツである。面積も人口も少ないミニ国家で、面積261平方キロメートル、人口4万6000(2001年推計)、5万2000(2009年推計)。首都はセント・キッツ島のバス・テール(バセテール)。セント・キッツ島はミゼリー山(1156メートル)、ネイビス島はネイビス山(985メートル)を頂く火山島で、ネイビス山は活火山として知られる。乾期(1~5月)と雨期(6~12月)があり、熱帯圏にあるが北東貿易風帯にあるため、夏でも比較的しのぎやすい。

 1493年、コロンブスの第二次航海で「発見」された。1623年にイギリス人がセント・キッツ島に到着し、その2年後の1625年にフランス人も入植した。1628年にはイギリス人がネイビス島へ入植し、1664年からイギリスとフランスの間で島の争奪が始まった。1783年にイギリス領となり、1871年リーワード諸島連邦、1956年西インド諸島連邦を経て、1967年セント・キッツ島、ネイビス島にアンギラ島を加えてイギリスの自治領となった。その後、1980年アンギラ島が分離した。1983年9月にイギリス連邦の一員として独立した。

 政体は立憲君主制で、元首イギリス国王が務める。議会は一院制で議席数は14。そのうち11議席が公選で、3議席はイギリス国王の代理である総督任命する。任期は5年。公選議員の多数派代表が総督の任命によって首相に就任し、内閣を組閣する議院内閣制である。

 産業は農業が中心で、ネイビス島はココナッツ、綿花が主要生産物。伝統的にサトウキビ栽培による砂糖生産が重要であったが、砂糖生産は利益をもたらすことができなくなり、2005年に生産を停止した。最近では観光産業と輸出向けの電気機械の組立て産業が促進されている。通貨は東カリブ・ドル(ECドル)。ブリムストーン・ヒル要塞国立公園がユネスコの世界遺産(文化遺産)に登録されている。

 住民のほとんどは黒人とその混血で、公用語は英語。宗教はキリスト教のイギリス国教会(イングランド教会)、カトリックが多い。

 日本とは1984年(昭和59)に外交関係を樹立した。貿易では、日本へ綿製品、電子部品、衣類などを輸出し、輸出額は15億円。日本からは自動車、タンカー、船舶用エンジンなどを輸入し、輸入額は4.8億円である(2009)。

[菅野峰明]


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