ソッツィーニ(その他表記)Sozzini, Fausto (Paolo); Socinus, Faustus

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ソッツィーニ」の意味・わかりやすい解説

ソッツィーニ
Sozzini, Fausto (Paolo); Socinus, Faustus

[生]1539.12.5. イタリアシエナ
[没]1604.3.3. ポーランド,ルツラウィツェ
ユニテリアン派神学者ソッツィーニ主義の開祖。Socini,Soziniとも記す。イタリアの名門の出。当初は法律を学んだが,のち伯父レリオ・ソッツィーニの影響下に神学の研究に専念。イタリア在住中に反三位一体論的な論説を発表(→三位一体),また『聖書の権威について』De Sacrae scripturae auctoritate(1570)を匿名で出版した。庇護者コジモ1世死後イタリアからバーゼルに移って聖書研究を続けた。バーゼル時代の救済観念に関する J.クーエとの論争は有名。その後 1580年にユニテリアン派との接近を企てポーランドに赴き,やがてユニテリアン派の神学上の指導者となる。1588年ポーランドの貴族の女性と結婚。予定説(→予定),キリスト贖罪原罪などの教義を否定し,1594年クーエとの論争に基づく『救い主イエス・キリストについて』De Jesu Christo servatoreを出版してクラクフ迫害を受けた。晩年病気がちであったがポーランドのユニテリアン派諸団体の統一に大きな役割を果たした。死後,教理問答『ラカウ・カテキズム』Rakauer Katechismus(1605)がポーランドで出版された。ソッツィーニ派の著作を集めた "Bibliotheca Fratrum Polonorum quos Unitarios Vocant"(8巻,1656)の 1,2巻にはソッツィーニの作品が収められている。

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改訂新版 世界大百科事典 「ソッツィーニ」の意味・わかりやすい解説

ソッツィーニ
Fausto Sozzini
生没年:1539-1604

イタリアのシエナの名門に生まれた自由思想家。叔父レリオ・ソッツィーニLelio Sozzini(1525-62)の唱えた反三位一体論の後継者。レリオは法学を学んだのち宗教改革に心を向け,内外の改革者と交際するが,ついに三位一体の教義を否定する自由なグループをつくり,チューリヒで死んだ。ファウストメディチ家に仕えている間はカトリックを奉じていたが,バーゼルで神学研究をして三位一体論に反対の立場を明確にし,1578年トランシルバニアに移り,79年ポーランドのクラカウ(現,クラクフ)に行って終生そこにとどまった。その指導下の一団はポーランド兄弟団と呼ばれる。その主張は三位一体をしりぞけ,したがってイエス・キリストの父のみを神とするだけでなく,教会と国家の結合を否定し,国家は神の制定によらず,したがって国家の起こす戦争を正しいと認めることはできないとした。その影響下にユニテリアンが起こった。
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百科事典マイペディア 「ソッツィーニ」の意味・わかりやすい解説

ソッツィーニ

イタリアの神学者。叔父L.ソッツィーニの影響を受けて神学を学ぶ。イエス・キリストの父のみを神と認め,教会と国家の分離を説く反三位一体論の立場を明らかにし,1579年以後ポーランドで,のちにソッツィーニ主義と呼ばれ,ユニテリアンにひき継がれる思想の普及に努めた。

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