タイ南部の都市で同名県の県都。都市域人口43万7747(2002)。英語名はシンゴラSingora。マレー半島東岸にある港湾都市で,タレー・ルアンと呼ばれる巨大な潟の南端に位置する。付近の平野では稲作やココヤシ,マンゴーなどの果樹栽培が行われ,丘陵地ではゴム栽培がさかんである。タイ湾沿岸の有数の港として古くから栄え,潟や沿岸における漁業の中心である。付近からはスマトラ島に都を置くスリウィジャヤ王国の文化に属する遺物が出土し,古い時代における東南アジア島嶼部世界との密接な関係が示唆される。第2次世界大戦中の1941年,日本軍の主力部隊がここに上陸し,シンガポール攻略に向かった。
執筆者:田辺 繁治
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
タイ南部、ソンクラー県の県都。旧称シンゴラSingora。マレー半島東岸のタイランド湾に連なるソンクラー潟南東端に位置する。人口8万4264、同名の県の人口は125万5662(2000)。古来、沿岸交通の要地で漁業や商業の中心地である。自給的稲作のほか、ゴム栽培や錫(すず)の採掘が重要である。美しい海岸、古い城壁と要塞(ようさい)があり、観光地としても有名である。
[友杉 孝]
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