日本大百科全書(ニッポニカ) 「ダイコンソウ」の意味・わかりやすい解説
ダイコンソウ
だいこんそう / 大根草
[学] Geum japonicum Thunb.
バラ科(APG分類:バラ科)の多年草。高さ50センチメートル前後、全体に粗い毛がまばらに生える。葉は羽状複葉、頂小葉は大きく、倒卵形から円形、下部の側小葉は非常に小さい。6~8月、茎の先に径約1.5センチメートルで黄色の5弁花を数個開く。花期後、花柱は伸長する。果実は痩果(そうか)で毛がある。日本全土、および朝鮮半島、中国大陸の山野に普通にみられる。名は、葉がダイコンの葉に似ることからいう。全草を漢方薬では利尿剤として使用する。花柱に腺毛(せんもう)のないオオダイコンソウG. aleppicum Jacq.は本州と北海道に生え、高さ1メートルに達する。また洋種のベニバナダイコンソウはゲウム(ジューム)と称し、切り花や花壇用に栽培される。ダイコンソウ属は温帯および極地に約40種あり、花柱に関節があるのが特徴である。
[鳴橋直弘 2020年1月21日]