ダンマル,ダンマー,ダマルともいわれる天然樹脂。生産する樹木はフタバガキ科のサラノキ属Shorea,バラノカルプス属Balanocarpus,ホペア属Hopea,バチカ属Vaticaなどに属するものがふつうで,東南アジアに生育する。採取は,樹に傷をつけてしみ出てくるものを採ることもあるが,自然に幹から出たもの,半化石状のものを集める場合が多い。フタバガキ科からとれるものがほとんどすべてであるので,化学組成は,原産樹木の種類の差による違いをあまり示さない。主成分は中性のトリテルペンである。アルコールに溶けやすい塗料用樹脂として,今もピアノ響板用塗料などに使われている。日本は全量を東南アジアより輸入している。
ダマールは,コーパルcopalとともにかつて塗料用樹脂の主原料であった。両者は実用上しばしば混同されるが,その性質にはいくつかの顕著な違いがある。ダマールはテレビン油,石油,ベンゼンなどによく溶け,いわば油になじみやすい樹脂である。一方コーパルはこれらの油には溶けにくいが,アルコールに溶ける樹脂である。塗りあがった膜はコーパルよりダマールのほうが軟らかい。なお,ダマールよりコーパルのほうが燃えやすく,また酸性であるということは,一般的に成り立つので,両者の区別に使われる。
→樹脂
執筆者:善本 知孝
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