フタバガキ(読み)ふたばがき

日本大百科全書(ニッポニカ) 「フタバガキ」の意味・わかりやすい解説

フタバガキ
ふたばがき / 二葉柿
[学] Dipterocarpus

フタバガキ科(APG分類:フタバガキ科)フタバガキ属の総称。熱帯アジアに約70種分布し、沿海地の熱帯多雨林内では常緑のフタバガキ林をつくり、大陸部では落葉のフタバガキ林を形成する。大部分は高さ30~60メートル、胸高径1~2メートルに達する。樹幹に樹脂道があり、黄色の樹脂を分泌する特色がある。葉は卵形または長楕円(ちょうだえん)形。総状花序をつくり、径3~7センチメートルの白または黄白色花を開く。萼片(がくへん)、花弁ともに5枚。果実は宿存する萼筒に覆われ、2枚の萼片は大きな翼に発達し、ほかの3枚は短い。名は、この形に由来する。材は建築構造材、車両、船舶合板などに用いる。オオミフタバガキD. grandiflorus Blancoは分布の広い代表的なもので、日本へもアピトンの名で材が輸入されている。フタバガキ科には本属のほか、Shorea属、Pentacme属、Parashorea属などのラワン類も含み、東南アジア地域の貴重な木材資源である。

小林義雄 2020年11月13日]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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