ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ツルクイナ」の意味・わかりやすい解説
ツルクイナ
Gallicrex cinerea; watercock
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鳥綱ツル目クイナ科の鳥。一見バンに似た大形のクイナ。全長約35センチメートル。繁殖期の雄は全体に灰黒色で、背中の羽毛には淡色の羽縁があり、翼、腰、尾などは暗褐色である。嘴(くちばし)は黄色く、額にバンのような赤色の額板がある。非繁殖期の雄と雌は、全身暗色斑(はん)の混じった黄褐色で、赤色の額板がない。インド、中国、朝鮮半島からスラウェシ島まで分布する。温帯のものは渡り鳥で、熱帯では留鳥。日本ではまれな旅鳥であるが、九州で繁殖した記録がある。習性はバンよりクイナ類に近く、水田や湿地の草むらの中にすみ、姿をみせることは少ない。巣も水辺の草むらの中につくる。コッ、コッ、コッと鳴く。
[森岡弘之]
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