テオグニス(読み)ておぐにす(英語表記)Theognis

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「テオグニス」の意味・わかりやすい解説

テオグニス
Theognis

前 540年頃活躍のギリシアエレゲイア詩人メガラ貴族の家に生れ,当時の貴族と民衆政争犠牲になって富も地位も失い,亡命生活をおくった。彼の名を冠して現存する詩集2巻 1382行はこの抗争変遷を反映している。その教訓的内容と貴族主義に教育的価値を認められて,のちに広く普及し,彼の名のもとに金言名句が集められたらしい。またチュルタイオス,ミムネルモス,ソロンら先人の作も混入しているために,どれが彼の真作かを決めることは困難である。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「テオグニス」の意味・わかりやすい解説

テオグニス
ておぐにす
Theognis

生没年不詳。古代ギリシアの詩人。紀元前540年ごろの人。生国メガラの貴族。貴族と平民の政治的争いのため、国外に逃れた。エレゲイア詩型による1389行の教訓詩が伝わるが、ソロンなど他人の詩の混入が数多く認められ、真作部分について論議がある。貴族のあるべき姿について教訓を与え、貴族としての立場から社会的不公平などを訴える彼の詩は前5世紀アテナイの貴族社会にもてはやされた。

[廣川洋一]

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