古代ギリシアの詩人。生没年不詳。前6世紀末から前5世紀前半の人で,出身地はギリシア本土(別伝ではシチリア島)のメガラと伝えられる。その名のもとに総計約1400行の,エレゲイア詩型の短詩が〈詩集〉の体裁で伝存しているが,その中で実際にテオグニスの作に成るものはおそらく最初の約250行のみで,他は彼以外のエレゲイア詩人たちの作品と目されるものが多数混入している。最後の約150行は,同性間の恋愛を歌う短詩集となっている。このような混交状態を呈した詩集ではあるが,一貫して明白な政治的・倫理的主張もまた認められる。すなわち,民衆派勢力の台頭によって社会的・経済的窮地においこまれた貴族派の,やむにやまれぬ苦しい心情が酒宴の席で仲間の間で語られ,同派の若い世代に対する訓言としてつづられている。真の友情について,金銭がもたらす悪や堕落について,幸と不幸について,貴族派として持すべき認識が,ときには誠実にときには偏見に満ちた角度から述べられている。
執筆者:久保 正彰
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生没年不詳。古代ギリシアの詩人。紀元前540年ごろの人。生国メガラの貴族。貴族と平民の政治的争いのため、国外に逃れた。エレゲイア詩型による1389行の教訓詩が伝わるが、ソロンなど他人の詩の混入が数多く認められ、真作部分について論議がある。貴族のあるべき姿について教訓を与え、貴族としての立場から社会的不公平などを訴える彼の詩は前5世紀アテナイの貴族社会にもてはやされた。
[廣川洋一]
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…かろうじてエレゲイア形式の随想表白や墓碑詩,エピグラム,酒宴歌(スコリオン)などが,受け継がれる。通称《テオグニス詩集》として今日伝わるものは,詩人テオグニスの作品を中核として,後世に至るまでのエレゲイア詩を集輯して生まれたものである。
【IIIアテナイ文学の時代】
[劇文学と散文体文学の隆盛]
叙事詩と抒情詩という2本の大道を進んできたギリシア文学の歩みは,ペルシア戦争を境として大きく変容する。…
※「テオグニス」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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