百科事典マイペディア 「デュティユー」の意味・わかりやすい解説
デュティユー
→関連項目ダルシマー
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フランスの作曲家。パリ音楽院で学び,1938年にローマ大賞を受ける。現在のフランスで,J.M.ラベル,A.ルーセルの伝統につらなる第一人者と目され,1967年に文化省から国の名において大賞を授与された。70年以来母校の作曲科教授。寡作だがその作品はきわめて精密に組織され,出発時は新古典主義的であっても,彼自身が言うように,〈内面的な進展に従いおのおの特色のある形態をとっている。その形式,構成はしだいにできあいのものから遠ざかる〉傾向を見せ,無調性,旋法性などをしめす。《フルート・ソナタ》(1942),《ピアノ・ソナタ》(1948),弦楽四重奏曲《かくて夜は》(1976),《交響曲第1番》(1951),《同第2番》(1959),バレエ曲《狼》(1953),管弦楽曲《メタボール(語句変換法)》(1964),同《音色・間・運動》(1977),チェロ協奏曲《遠いひとつの国》(1970)などいずれも評価が高い。
執筆者:平島 正郎
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
フランスの作曲家。アンジェ生まれ。パリ音楽院でガロン兄弟、ビュッセルHenri Büsser(1872―1973)らに師事。1938年ローマ大賞受賞。1961年高等師範学校(エコール・ノルマル・シュペリュール)作曲科教授、1969~1974年同学長を務めた。1970年パリ音楽院作曲科教授に就任。ドビュッシー、ラベル、ルーセルなどの影響を受けるが、伝統や流派にとらわれずに独自の音楽語法を確立した。代表作には『ピアノ・ソナタ』(1947)、二つの交響曲(1950/1959)、バレエ音楽『狼(おおかみ)』(1953)、オーケストラのための『メタボール』(1964)、チェロ協奏曲『遠き世界へ』(1970)、弦楽四重奏曲『夜はかくのごとく』(1977)、管弦楽曲『音色・空間・運動』(1978)、バイオリン協奏曲『夢の樹(き)』(1985)などがある。1997年(平成9)武満徹(たけみつとおる)作曲賞(この年はネクスト・ミレニアム作曲賞の名称で実施)の審査員を務めた。二度来日している。
[寺田兼文]
『Caroline Potter:Henri Dutilleux;His Life and Works(1997, Ashgate Publishing Company)』
出典 (社)全日本ピアノ指導者協会ピティナ・ピアノ曲事典(作曲者)について 情報
…蓋然性の音楽で注目を集めている作曲家クセナキスは,ギリシアの音楽家である。こうした新しい音楽へのかつてない要求を回避せず,しかも伝統的なフランス音楽を継承していこうとする,デュティユーらの存在を,決して忘れるわけにはいかないであろう。【平島 正郎】
[民俗音楽]
フランスの民謡,民俗音楽は,すべてが中庸で,調和のとれた穏やかな風土,環境から生まれた。…
※「デュティユー」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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