とは

精選版 日本国語大辞典 「とは」の意味・読み・例文・類語

と‐は

[一] (格助詞「と」に、係助詞「は」が付いたもの)
① 説明・思考・知覚などの対象やその内容を取り立てていうのに用いる。
万葉(8C後)二・一四八「青旗の木幡の上を通ふ跡羽(とは)目には見れども直に逢はぬかも」
徒然草(1331頃)一八六「此用意を忘れざるを馬乗とは申すなり」
② 意外・不満・感謝などの感情を引き起こした事柄を取り立てていうのに用いる。
※万葉(8C後)四・六〇一「情(こころ)ゆも吾はおもはずき山河も隔たらなくにかく恋ひむ常羽(とは)
※伊勢物語(10C前)一二五「つひにゆく道とはかねて聞きしかどきのふけふとは思はざりしを」
並列・比較などの対象、また、動作の相手などを取り立てていうのに用いる。
※徒然草(1331頃)七三「音に聞くと、見る時とは何事もかはるもの也」
※浮世草子・好色一代男(1682)七「身を居(すえ)てのあし取、また上方とは違ふて目に立ぬ物かは」
④ (数詞に添え、打消を伴って)その数の範囲以上に出ない意を強調するのに用いる。「ふた目とは見られぬ惨状」「一時間とはかからない」
浮雲(1887‐89)〈二葉亭四迷〉一「何時試験にも一番と言って二番とは下らぬ程ゆゑ」
[二] (接続助詞「と」に、係助詞「は」が付いたもの) そのことが起こるたびに。
漱石の思ひ出(1928)〈夏目鏡子五八「毎木曜の面会日となるとは、正午過ぎ早早中央公論の滝田樗蔭さんが俥(くるま)でいらっしゃいました」

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デジタル大辞泉 「とは」の意味・読み・例文・類語

と‐は

[連語]《格助詞「と」+係助詞「は」》
「と」の働きを強めた表現。「予想とは違う結果が出た」
定義命題などの主題であることを示す。…というものは。「友情とは、かけがえのないものだ」
文末にあって、下に続くべき語句を省略し、情意を強く表す。「もうこれきり会えないとは」「君の恋人が彼女とは

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普及版 字通 「とは」の読み・字形・画数・意味

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