翻訳|topiary
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
園芸用語。庭木を彫刻的に仕立てたもの。装飾刈り込みともいう。細かい葉や小枝の多い樹種を刈り込んで、人や動物、各種の幾何学的図形などの形に仕立てる。庭の装飾物として観賞する。ヨーロッパでは古代ローマ時代から行われ、刈り込みを行う庭師をトピアリウスtopiarius、その技術をオプストピアリーopustopiariiとよんだ。こうした装飾刈り込みが普及したのは、16世紀前半に整形式庭園が紹介されてからで、とくにイギリスにおいて急速に発達した。わが国での装飾刈り込みとしては文化(ぶんか)年間(1804~18)ごろに江戸・小石川の寺でゴヨウマツ、ヒムロ、シンパクなどの樹種で、動物や灯籠(とうろう)をおもにつくっていた。樹種としては、常緑性で葉が細かくて多く、小枝で芽吹きのよいものが適している。日本ではキャラ、イチイ、イヌツゲ(ツゲ)、西洋ではビャクシン類、ツゲ、セイヨウイチイなどが主として用いられる。
[堀 保男]
…果実を収穫し,木陰をたのしむという実利性以上に,自分の小世界をもつという象徴的なたのしみがあったのであろう。古代ローマの貴族も同様であったが,すでに接木の技術も発達し,また特定の木を人や動物や各種の図形に刈り込むトピアリーtopiaryも盛んになった。こうなると園芸はまさしく〈芸(アート)〉であり,その洗練を賞賛することもできるが,その人工性を非難することもできる。…
※「トピアリー」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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