トリゴニア(読み)とりごにあ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「トリゴニア」の意味・わかりやすい解説

トリゴニア
とりごにあ
[学] Trigonia

軟体動物門二枚貝綱トリゴニア科の代表属。一般には本科の類全般をさす。殻は三角形で厚く、内層は真珠層からなる。その殻の外形からサンカクガイ三角貝)とも称する。右殻に放射状の特徴的な歯をもつ。殻表面は三つの部分に分けられ、各部に強い肋(ろく)(線状の高まり)やいぼが発達することが多い。中生代三畳紀中期に出現し、中生代全般に栄えた。狭義のトリゴニア属はジュラ紀のものに限られる。

 南オーストラリアの海岸に生息するネオトリゴニアNeotrigoniaシンサンカクガイ)は唯一の現生属で、遺存種好例である。現生種との比較や化石の産状からみて、化石種の多くは暖かい外洋に面した浅海砂底に潜って生活していたと思われる。分布が広く、属の生存期間も短いので、中生代の重要な標準化石の一つである。日本の海成白亜系からも、スタインマネラSteinmanellaなど数多くの属種が産する。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「トリゴニア」の意味・わかりやすい解説

トリゴニア

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