トルトサ(読み)とるとさ(その他表記)Tortosa

デジタル大辞泉 「トルトサ」の意味・読み・例文・類語

トルトサ(Tortosa)

スペイン東部、カタルーニャ州の都市エブロ川下流部に位置する。デルタ三角州)では稲作が行われ、周辺ではオリーブ栽培が盛ん。オリーブ油精製をはじめ、食品工業立地。9世紀初頭、フランク王ルイ1世が後ウマイヤ朝に対する包囲戦を行った。スペイン内戦末期に大きな被害を受けたが、再建された。トゥルトーザ。トルトーサ。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「トルトサ」の意味・わかりやすい解説

トルトサ
とるとさ
Tortosa

スペイン北東部、カタルーニャ地方の都市。人口2万8933(2001)。エブロ川が河口から40キロメートル上流で狭い谷をつくる部分に位置し、下流に発達したデルタの米作中心地。周りの丘陵斜面はオリーブ畑などに利用され、オリーブ油の精製や精米織物、化学などの工場が立地する。河港があり、外航船遡行(そこう)の終点となっている。イベリア人の集落起源とし、ローマ人に都市として整備された。1148年以来、司教座の所在地で、14世紀の大聖堂や中世城跡などがある。スペイン内戦末期に荒廃したが再建された。市街地はバルセロナ方向およびエブロ川右岸に拡大している。

田辺 裕・滝沢由美子]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「トルトサ」の意味・わかりやすい解説

トルトサ
Tortosa

スペイン北東部,カタルニャ州,タラゴナ県の都市。バルセロナの南西約 150km,エブロ川の下流沿岸に位置する。古くはローマ人の植民地で,ムーア人の支配下では重要な前哨基地の一つ。エブロ川三角洲の米作地帯の一中心。米作やブドウ,オリーブの栽培がみられ,オリーブ油,製粉,化学製品の工業が盛ん。 14世紀に建造されたゴシック様式の大聖堂,ルネサンス様式の宮殿,中世の城館などが残存。人口2万 8561 (1991推計) 。

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世界大百科事典(旧版)内のトルトサの言及

【ラモン・ベレンゲール[4世]】より

…さらに44年以降はプロバンス侯国の支配権も握って先代以来のカタルニャとのきずなを一段と固めた。他方,アラゴンとの連合で強化された軍事力を生かしてトルトサとレリダの2イスラム教国を征服,53年までにはエブロ川河口を確保する形でカタルニャの国土回復戦争(レコンキスタ)を完了した。【小林 一宏】。…

※「トルトサ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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