トンガ族(読み)トンガぞく(英語表記)Tsonga; Thonga

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「トンガ族」の意味・わかりやすい解説

トンガ族
トンガぞく
Tsonga; Thonga

モザンビーク南部およびエスワティニとジンバブエ南アフリカ共和国の海岸平原に居住する南バンツー語系の民族人口は約 460万と推定される(20世紀後半)。キャッサバ,トウモロコシ,シコクビエなどを栽培する移動農耕民であるが,牧畜も重要。今日では賃労働に従う者も多く,ジンバブエ,南アフリカ共和国などへ出稼ぎに出ている。ウシは財産であり,婚資,犠牲獣としても重要である。父系リニージが散居小集落をつくり,出自,地位継承,財産の相続も父系的である。かつては自律的な地域集団が多数分立したが,19世紀にングニ諸族に征服された。宗教は高度に儀礼化された祖霊信仰が盛んであるが,キリスト教も普及している。

トンガ族
トンガぞく
Tonga

ザンビア南部を中心にジンバブエ,ボツワナ北部にかけて広がる高原峡谷に居住するバンツー語系の一民族。人口は 100万以上と推定される。南バンツー語系のショナ族のうちコレコレ族に属する。移動耕作を生業とし,牛の飼養を行なっていたが,高原部では 1930年代から市場経済の影響が大きく,定住化と賃労働による文化変容が著しい。峡谷部では,伝統的な生活が比較的残されており,憑依儀礼が盛んである。

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